
本記事では、以上の疑問にお答えします。
本記事の内容
1.GPAとは成績の平均値で、主に学内で使われる
2.日本でのGPAの平均と、E評価の計算方法
3.GPAが就活に与える影響について
この記事の信頼性
執筆者は院生で、大学での講義を補助する業務にたずさわっていた
就活で、GPAが役立つ場面・関係のない場面を経験している
大学生の成績といえば「単位」。ただ現在、大半の大学では、単位をもとに算出された「GPA」が成績評価に使われています。
平成30年度においては、「GPA制度」は、学部段階で702大学(約95%)が導入されており、その内、学部全体で導入しているのは628大学(約85%)。
出典:文部科学省, 2020, 『大学における教育内容等の改革状況について(平成30年度)』.


GPAとは何か?
まず、GPAとは「Grade Point Average(グレード・ポイント・アベレージ)」の略称です。
簡単にいえば、単位から計算した成績の平均値ですね。
以下、GPAという成績の評価方法の特徴を解説します。
1-1 GPAは評点(単位の成績)の平均になる
単位制では受けた講義ごとに、例えば「秀」「優」「良」「可」「不可」といった判定がくだされるだけでしたが。
GPA制度によって、例えば「秀(A)=4」「優(B)=3」「良(C)=2」「可(D)=1」「不可(E)=0」など、単位が数値とひもづけられました。
素点 | 標語(成績記録) | GP |
100~90点 | A(秀) | 4 |
89~80点 | B(優) | 3 |
79~70点 | C(良) | 2 |
69~60点 | D(可) | 1 |
59~0点 | E(不可) | 0 |
無効 | F(採点不能) | 0 |

なお、平均値(GPA)の求め方は後述しますね。
1-2 GPAが成績証明書に使われる理由
出されたGP・GPAは、各大学が発行する成績証明書に使われます。
GPAを成績証明書に使うことで、
- 大学:数値にして、学生の学業成果をより分かりやすくする
- 企業:大学ごとに違っていた成績記録が統一される
と、大学・企業のメリットが生まれます。
元々、欧米で広く使われてきた制度ですが、文科省による推進もあり、今後もGPAによる成績評価を重視する大学・企業が増えるでしょう。
GPAの平均と計算方法
それでは、日本の大学生の平均的なGPAとはどの程度なのでしょうか。
結論、日本におけるGPAの平均は「2.4~2.8」といわれています。以下、確認しましょう。
2-1 GPAの具体的な計算方法
まず、GPAの具体的な計算方法が、以下になります。
この計算方法から、例えば、半期で14の講義(28単位分の講義)を履修して、
という成績になったとします。
この2.14というGPAが、一般的な評価としてどの程度になるのか、次でみてみましょう。
2-2 GPAの全国的な平均値
先ほど記載したように、日本におけるGPAの平均は「2.4~2.8」といわれています。
というのも、一般的にGPで4や1、0をとる学生は少数で、3や2の学生の割合が高いと考えれば、この中間くらいの数値に収まるからですね。
例えば、同志社大学では「成績評価結果・授業講評の公表について」と、科目ごとのGPAとGPの分布状況を公開しており、おおむね以上の割合に収まっていることがわかります。
各講義の補助業務にたずさわってきた経験から、GPAの評価をするならば、
GPA | 評価 |
3.5以上 | とても優秀 |
3.4~2.9 | 優秀 |
2.8~2.4 | 平均的 |
2.3~2.0 | やや勉強不足 |
1.9~0 | 勉強不足 |
となるでしょうか。
つまり、上の「GPA2.14」は勉強不足だろうといえますし、一講義単位でいえば、何度も単位を落としている人に多い印象もあります。
しかし、A評価(GP4)もあったはずなのに、なぜこのような成績になったのでしょう。
2-3 E評価(GP0)=落単を回避する
成績が極端に悪くなった一番の原因は、E評価(GP0)を受けてしまったからです。
もし、このE評価がなかった場合、
このように、少なくともGPAを2.5までは上げることができます。
つまり、E評価・F評価(採点不能)=落単を避けることが、GPAを維持する一番の手段になりますし。
再履修にも時間と手間がかかるわけなので、落単は、学生・大学双方にデメリットしか生みません。
このデメリットから、半期で取得できる単位数を22、24ほどに制限する大学も増えつつあります。
なので、まずは22、24単位を目安に計画を立てて、問題がなければ受講科目を増やす方針でいくと、E評価を回避できるでしょう。


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GPAは就職活動に影響するのか?
これも結論、GPAのあたえる影響は就活よりも学内評価のほうが大きいです。
理由は以下になります。
3-1 大学内の優遇制度はGPAで決まる
例えば、
- 授業料の減免
- 給付型奨学金の選考
- 留学制度
- 大学院入試
など、大学内の制度は、もちろん成績(GPA)によって決まります。
GPAが高いほうが、授業料減免や奨学金の選考でプラスになりますし、JASSOの第一種奨学金の申請・継続にもGPAが使われますね。
3年次以降だと、大学教員のゼミ・研究室に入るとき、GPAが判断材料になる場合もありますし。
教員に、就活・進学にむけた推薦文を依頼する場合も、まず成績をみられることを予想できます。
というのも、教員が学生と接する主な場所は講義で、GPAの高低=学業への姿勢を重視する立場にあるからですね。

3-2 就活ではGPAは平均でOK、自己PRを考えるといい
一方、GPAが就活にあたえる影響は限定的だというのが、執筆者の見解です。
というのも、先ほど学内の優遇措置にはGPAが影響するといいましたが、その優遇措置は就活の場まではおよんでいないからです。
例えば、海外の就活事情を、
就職の際の応募条件、インターンシップの権利など、多くの企業が大学での成績を条件にしています……海外では学生が勉強するメリットが明白なのです。
出典:辻太一郎, 2013, 『なぜ日本の大学生は、世界で一番勉強しないのか?』世界思想社.
と解説する文章があります。
外資系企業ではGPAを重視するといわれる理由ですが、日本ではまだ、こうした就活にかかわるメリットが薄いわけですね。
そのため、GPAは平均値を目指しつつ、アルバイトやサークル、ボランティア、読書、資格取得など、自己PRにつながる活動を考えるのが無難でしょう。


まとめ:GPAは平均を収めつつ、就活の計画を立てよう
今回は、大学のGPAとは何なのか、そして、具体的な計算方法・平均値と就活への影響についてお話してきました。
記事内容をまとめると、
- GPAは、学生の学業成果をわかりやすくしたもの
- 平均は2.4~2.8で、平均をとるには落単を回避する
- GPAは学内制度に使われても、就活への影響は限定的
となります。
そのため、GPAは平均を収めつつ、アピールポイントをつくって就活の計画を立てればいい、というのが本記事の結論になります。


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