
本記事では、以上の疑問にお答えします。
本記事の内容
1.リアクションペーパーの基本的な書き方
2.リアクションペーパーを書くときの注意点
3.書き方のコツとテンプレート
この記事の信頼性
執筆者は院生で、大学での講義を補助する業務にたずさわってきた
業務で、リアクションペーパーやレポートの集計・採点確認をしてきた
大学の講義に出るリアクションペーパーで書くことがない、という学生さんは多いはず。
しかし、リアクションペーパー(ミニッツペーパー)は書き方の基本と注意点を押さえれば、簡単に書けます。


▼レポートやパワポの作成は以下の記事をご参照っ▼
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大学の勉強についていけない学生に向けたロードマップ【後悔なき大学生活を】
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リアクションペーパーの使い方
まず、リアクションペーパー(リアペ・ミニッツペーパー)とは、教員が学生に、その回の講義の意見や疑問・感想をもとめるために出すものです。
リアクションペーパーの使い方(教員の目的)と書き方の基本(学生の対策)をまとめると、
使い方(教員) | 1.出席点 2.小レポート |
書き方(学生) | 1.話題は1つ 2.論点を書く 3.根拠を書く |
となります。順番に確認しましょう。
使い方1 出席点:出席の確認をする
一番多いのが、リアクションペーパーを出席の確認に使って出席点をつけるケースです。
例えば、講義はじめに配られる出席票の裏に「コメントを書いてくださいね」というケースが想定できます。
この場合、内容はそれほど重視されず、機械的に出席点がつけられます。
そのため、コメント内容も、1~2行ほど「こう思いました」と講義の感想を書くだけで大丈夫っ。


使い方2 小レポート:成績を評価する
もう一つ、リアクションペーパーを小レポートとして、成績評価に使う場合もあります。
何回出されるのか、評価基準は何か、これらは教員によりますが、出席点よりも配点が大きくなっています。
仮に、5段階評価を採用するならば、
評価 | 基準 |
A | 講義を理解し、的確な説明を加えている |
B | 講義内容を適切に理解した文章である |
C | 講義内容をおおむね理解した文章である |
D | 内容理解がおぼつかない文章である |
E | 出席が不確か、内容理解が不十分 |
といった区別になるでしょうか。
なので、「リアクションペーパーの書き方」といった場合は、以上の評価をあげる方法の説明になりますね。


▼レポートの書き方のまとめ記事はこちら▼
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【誰でも書ける】大学レポートの書き方まとめ|表紙から例文・コツまで解説
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リアクションペーパーの基本的な書き方
次に、リアクションペーパーの書き方「3つの基本」をみていきましょう。
リアペの書き方の基本は、点数をかせぐだけでなく、レポートの書き方にも通じますよ。
書き方の基本1 話題は一つにしぼる
リアクションペーパーの基本その1は、ペーパーに書く話題を一つにすることです。
というのも、採点基準になる講義内容の理解とは、授業中の話題をならべることではなく、内容の説明に求められるからですね。
そのためには、授業中にでてくるいくつもの話題を書き連ねるよりも、話題は一つにしぼるほうが効果的です。
また、講義中ボーっとしてたり、寝ていたりして話を聞き逃した場合でも、あつかう話題が一つならば書きようがあります。


書き方の基本2 自分の考え(論点)を書く
リアクションペーパーの基本その2は、自分の考え=論点を「冒頭に書く」です。
論点、といえば難しく感じるかもしれませんが、講義内容について、
- 興味をもった点
- 疑問に感じた点
- 改善してほしい点
など、何でもいいので、自分が思ったことを一点にしぼって書きだしてみましょう。
自分の意見をきちんと相手に伝えるための第一歩は、はっきりとした最初の主張にある、ということですね。

▼レポート(書評)の書き方はこちら▼
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大学での書評レポート(テキスト批評)の書き方【例・テンプレート有】
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書き方の基本3 なぜそう考えたのか(根拠)を書く
リアクションペーパーの基本その3は、なぜそう考えたのか=根拠を書くことです。
教員が「的確な説明を加えている」「適切に理解している」と評価する部分はこの根拠にあります。
というのも、論点をあげても「なぜならば」と理由の説明が続かなければ、「そう思ったから」という感想文で終わるからですね。
加えて、リアクションペーパーは大人数の授業で使われるので、似たような論点になる可能性は高いです。
そのため教員は、似たような論点を「なぜそう考えたのか」という根拠でどうおぎなうかをチェックして、学生を評価するわけですね。
別にカンペキな文章じゃなくてもいいので、自分の思ったことをしっかり教員に伝えましょう。


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リアクションペーパーを書くときの注意点とコツ
ここまで、リアクションペーパーの基本となる書き方「話題は1つ」「はじめに論点」「根拠も書く」を解説しました。
とはいえ、すぐには書けなかったりします。。
理由は、
- 授業内容にむりやりあわせる
- なぜか感想文になってしまう
- 文字数かせぎに話題を変える
この三つをやってしまいがちだからです。

注意点1 無理に授業内容にあわせない
リアクションペーパーは、あくまでも授業に対する自分の意見・感想を伝えるものです。
なので、無理やり授業内容にむすびつけようとすると、かえって書きにくくなってしまいます。
「リアクション」の言葉通り、教員が関心をいだくのは、学生にとっての新発見や疑問が残った部分などです。


注意点2 感想文になるのは避ける
「なぜそう考えたのか(根拠)」を書いているはずなのに、どうも根拠になっていないような?
という文章は感想文、つまり「内容理解がおぼつかない」という低い評価にグッと近づきます。。
主な原因は、文章がつながっていない、つまり「AはBだと思った」「CもDだと思った」みたいな文章ばかりになっているからで。
なぜこうなるかといえば、自分のなかで話がうまくつながっていないからですね。
文章がつながらないことを回避するためには、
- 素直に感じたことから書きはじめる
- 使えそうな体験談を事例に出す
- 自分が知っている情報を書く
という3ステップを意識してみるのがオススメです。
注意点3 文章の途中で話を変えない
リアクションペーパーの目安を10行とした場合、最初から10行まで書ける学生さんは少ないと思います。
なので、文章の途中で話を変えてでも文字数をかせいだ結果、逆に失敗してしまうケースが結構あったり。
そのため、失敗しない方法は、これ以上は無理だと思ったら、話を変えずにそこで書き終えることです。
というのも、読み手にとってもっとも負荷がかかるのは、文字数が多くて話にまとまりがない文章だからですね。
リアペは書くうちに慣れますし、体験や知識が増えれば書きやすくなります。はじめは、無理のない範囲で書きましょう。


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リアクションペーパーのテンプレート・例文
以上、リアクションペーパーにおける書き方の基本と注意点をふまえたうえで、実際の文例を示してみます。
なお、テンプレートとすべきは、普通の評価を狙える例2の文章です。
誰でも簡単に書ける点を強調するため、履修者の多い「サブカルチャー」系の授業内容を想定してみますね。
リアクションペーパーの例1 低い評価
まず、リアペの低評価となる例の多くを占める、「~だと思いました」という感想文から書くと、
今日の講義に出ていた鬼滅の刃の炭治郎は頑張っていると思いました。
炭次郎の優しさや、義勇のクールさがやばかった。妹のねづ子も鬼から戻ればいいなと思いました(以下略)
…少し講議を休みがちでしたが、これから頑張ります。〇〇先生、よろしくお願いします。
といった感じ。どこが低評価につながるかというと、
- 基本で示した「話題は1つ、論点を書く、根拠を書く」の三点ともかけている
- 授業内容をならべた感想文になっている
- 文章表現に難があり、誤字(3箇所)もある
になります。真似してはいけない文章ですね。


リアクションペーパーの例2 普通の評価
次に、感想文じゃないけどリアペとしては普通の評価になるかも、と感じる書き方です。
今日の講義の例に出された、鬼滅の刃の竈門炭治郎の優しさが好きです。
理由は、一話目のあと、作中で炭治郎は様々な人・鬼とであいますが、そこで彼の優しさにふれて、救われる人々が多いからです(なぜ好きかと説明している)。
私の友人も、悲しいことがあったら鬼滅の刃をみて、明日も頑張ろうといっています(体験談を話している)。
友人のように、炭治郎がもつ優しさに共感する人が多いからこそ、鬼滅の刃はヒットしたのだろうと考えます(考察している)。
こんな感じの文章ですね。リアクションペーパーの基本からみると、
- 話題は1つ 炭治郎の優しさにしぼる
- 論点を書く 優しさが好きだという
- 根拠を書く 理由は、のあとに知っている情報・考察を書く
この三点がしっかり守られているので、悪い評価にはならないはず。


リアクションペーパーの例3 高い評価
例2をさらに校正して、高い評価がもらえるようなリアクションペーパーにしてみましょう。
直すのは、「論点の提示」「根拠となる文章のつなげかた」「ヒット要因の考察」の三つになります。
『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎の優しさによせる、現代人の共感に興味をいだきました。
現代人が共感をいだく理由は、炭治郎が人と鬼、つまり味方と敵にわけへだてなく接し、両者を救っていく描写にあると考えます。
例えば私の友人は、人間関係がうまくいかずに悲しい気持ちになったら鬼滅の刃をみています。「炭治郎の優しさにふれたら明日も頑張れる」とは、彼女がよく話してくれる言葉です。
この友人を引きあいにだせば、鬼に家族を殺されたにも関わらず、その敵の悲しみや苦しみに寄りそおうとする炭治郎の優しさに、現代人は「他者を受けいれ、いやす存在」という理想の人物像を重ね、求めているのでしょう。『鬼滅の刃』が歴史的ヒットとなったのも、友人をはじめとする現代人がもつ、「優しさへの共感」が背景にあるのではないでしょうか。
ポイントは、
- 論点の提示 好きという感情から、現代人の共感という社会事象を引っぱりだした
- 根拠となる文章 友人の具体的な状況・語りから体験談を書いて、作品の内容とむすびつけた
- ヒット要因の考察 ヒット要因自体を考察するのではなく、「歴史的ヒット」と報じられている点をとりあげて「優しさへの共感」というキーワードでリアペ全体を考察としてまとめた
という三点になりますが、まずは例2のテンプレートを身につけてから挑戦してみましょう。
大事なのは、リアクションペーパーの基本を守って、安定した文章を書くことになりますよ。
正直、感想を書きにくい回もあるので、書きやすさを感じた回に、高評価を目指すくらいの気持ちでOKです。


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まとめ:書き方の基本と注意点を押さえれば、誰でも簡単に書ける
今回は、大学のリアクションペーパーの簡単な書き方について、注意点やテンプレートをまじえてお話ししてきました。
記事内容をまとめると、
- リアペの書き方の基本は「話題は1つ・はじめに論点・根拠も書く」の3つ
- 素直に感じたことから書きはじめると楽に書ける
- テンプレート(リアペ例2)を覚えれば、いくらでも応用がきく
となります。
繰り返しますが、リアクションペーパーは基本の書き方さえ守っておけば、誰でも簡単に書けます。
書くことが思い浮かばなかったら、ペーパーが出た回の講義は聞きやすかったかどうか、という論点でも構いません。
学習の理解度チェックと同時に、授業改善に使われるのもリアクションペーパーなので、自分の意見をしっかり教員に伝えましょう。


▼この記事は「大学の勉強についていけない学生に向けたロードマップ」の一部です▼
第9回
講義の感想文:リアクションペーパーの書き方(この回)
第10回
大学でのレジュメ(配布資料)の作り方
第11回
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第12回
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