
本記事では、上記の疑問にお答えします。
本記事の内容
レポートで使い勝手がいい本・論文の説明
検索の精度をあげるための探しかたのコツ
これだけ押さえればOKな、3つの検索サイト紹介
この記事の信頼性
執筆者は文系院生で、レポート・報告書の添削歴も豊富
本・論文の検索マニュアルの内容も熟知している
レポート課題が出され、いざ書こうと思っても、なかなか書きだせない。。そんな経験はありませんか?
その原因は、課されたテーマに対する適切な本や論文、つまり参考文献をうまく使っていないことにあったりします。
とはいえ、課題に慣れてないうちは、どう探せばいいのか分からないのも確かで。


検索前に、本や論文に大まかな目途をつけておこう
結論、使う参考文献が決まっていたら、2000~4000字程度の文章ならばサクサク書けます。
というのも、短い文章ほど、本や論文からの引用文が「序論・本論・結論」という型を整えてくれるからです。
それで、使う参考文献というのも、
- 権威文献:テーマ上、ふれておく必要がある文献 目安:1つ
- 自分用の文献:文章を書くうえで使い勝手のよい文献 目安:2~3つ
- 新聞記事:レポートの社会的背景をみせるのに有効(後述)
これだけです。
以下では、権威文献と自分用文献について、大まかな目途のつけかたを確かめましょう。
権威文献は、講義ノートから引っぱってくる
権威文献とは、一言でいえば「(レポート課題に関連する)これまでの研究に貢献してきた文献」と表現できます。
そのため、大体は講義中に紹介されているはずなので。そこから目星をつけて、1つ使っておくのが無難です。
そして、どうせ引用するなら、自分の議論のきっかけづくりに利用しましょう。
例えば、引用後に「この文献の記述は実情にそぐわない」と展開すれば、これが問題提起になって、文章が先に進むわけですね。
逆に、「この議論は現在でも有効だと考える」と主張すれば、権威文献を肯定する方向で議論を進めることができます。
自分用の文献は、自分の興味関心にしたがって探す
もう一つ、目途をつけなきゃというのが、レポートでの主張を支えるための自分用の文献になります。
そして、この自分用の文献は、自身の興味関心にしたがって探してくるのがベターです。
というのも、レポート課題への最低限の関心がないと、問題提起もしにくいし、書きづらいからですね。
字数によりますが、最低1つ、多くて3つ程度にしておくと、文章もまとめやすいのでオススメです。
まとめると、レポートに使用するのは、権威文献と自分用文献の二つで(新聞記事は後述)。
この段階では、まず権威文献を肯定的に使うか、否定的に使うかを決めて。
自分の議論にあう文献を、自身の好みからピックアップするわけですね。
キーワードを選んで、検索の精度をあげよう
次は、検索時のコツである、キーワードの選びかたになります。
あらかじめ、キーワードを選定する作業をしておくと、検索の精度もあがり、文章を書く作業に移ったあとも困らなくなります。

キーワードの選びかた:関連語
関連語は「レポート 参考文献」みたいな、お互いに関係があるキーワードを指します。
ネット検索もそうですが、本や論文の探しかたでも、この関連語を組み合わせて検索するのが基本です。


キーワードの選びかた:共起語
一方、共起語は「本 書籍」「論文 論説」のような、意味が近いキーワードを指します。
そのため、関連語で検索して、いまいちヒットしないときは、共起語を使って再検索してみましょう。
例えば、中の人の趣味にしたがって、
と、このように切り替えることで、ヒット数が変わります。
そのため、検索をかけてみて、
- たくさんヒットするならば、関連語を追加して、ピンポイントにしぼっていく。
- 逆にヒットしないのであれば、共起語に切りかえて、使えそうな論文を探していく。
というのが、レポートを書くときの、参考文献の探しかたのコツになります。
検索用のサイトは3つを押さえておけばOK
検索のコツまでみたところで。
レポートから卒業論文まで、大学生活でお世話になる検索用サイト3つをご紹介です。
- 「Cinii」論文・本の検索はこちらから
- 「J-STAGE」論文の入手先として一番有効
- 「聞蔵Ⅱ」新聞記事のバックナンバーはココ
所属する大学の図書館と、この3つの検索サイトを押さえておけば、卒論までなら問題なく書けます。
順に確認してみましょう。
1.文系の論文だと「CiNii」「J-STAGE」で決まり
CiNii(サイニー)は参考文献を探すときの基本
まず、論文の参考文献の探しかたですが、「CiNii(Articles)」を使ってみましょう。
という仕組みで、「本文あり」で調べると、pdfで入手できる論文が表示されます。
このCiNiiは、論文検索の基本中の基本となるので、ブックマークしておきましょう。
ただし2020年現在でいえば、リンク先にある「学協会誌の電子化に関する方針」の変更によって、論文検索に関しては、次に説明するJ-STAGEのほうが使い勝手がよい状況です。
参照:「国立情報学研究所:電子図書館(NII-ELS)の事業終了について」
J-STAGEだと、学術誌の掲載論文がすぐに手に入る
次に「J-STAGE」をみてみましょう。
500万を超える記事数があり、使い勝手がとてもいいサイトです。学術誌に掲載されている論文を探すときは、J-STAGEも活用しましょう。
とくに近年、学術誌・大学紀要の電子化が進んだことによって、刊行後、1年を経っている論文であれば、無料で公開されています。
また、CiNii、J-STAGEともに大学を離れた場所、例えば自宅からも使えるので、あわせてブックマークをオススメします。

2.本の情報は、大学図書館か「CiNii Books」でチェック
まず大学図書館、なければ都道府県内の「横断検索」で探してみる
次に、書籍の参考文献を探すときは、所属する大学図書館の検索端末で、まずチェックしてみましょう。
図書館にあればOKなのですが、もしなければ。
大学か、各都道府県立の図書館などに用意されている「横断検索」システムを利用するのが有効です。
横断検索することで、調べたい本が、各都道府県内の図書館にあるかどうかを確認できます。
もしヒットすれば、直接出向いて借りるか、「ILL(図書館同士の相互貸借)」を利用してお取り寄せしましょう。
これでも引っかからなかった場合は、次の「CiNiiBooks」を使います。
「CiNiiBooks」だと、全国の大学図書館の所蔵状況がわかる
「CiNiiBooks」の特徴は、全国の大学図書館の書籍を一斉に調べることができる点です。
どういうことかというと、
このように、所蔵されている大学図書館がわかります。
もし、都道府県外の公共図書館になると、ILL(相互貸借)ができるかどうか、相手次第になるのですが。
大学間であれば、相互貸借が可能なので、CiNiiBooksで参考文献がヒットした場合は、取り寄せることができます。

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3.問題提起には「聞蔵Ⅱ」のバックナンバーが最適
最後に、「朝日新聞の明治創刊号から今日まで」のバックナンバーが収められている「聞蔵Ⅱ」の紹介です。
本や論文が、レポートの議論を組み立てるうえでの、理論的な柱とするならば。
新聞記事は、レポートの社会背景を効果的にみせるためのツールとなるので、ぜひ活用をオススメします。
使いかたは至ってシンプルで、「聞蔵Ⅱ」に大学のPCからアクセスして、朝日新聞のバックナンバー記事を検索するだけです。
本文のほか、〇月〇日、朝・夕刊、何ページ、何文字で掲載と、書誌情報も詳しく出るので、引用もしやすいです。
ただ、聞蔵(朝日新聞社)は各大学と契約しているため、基本的には、大学の外では利用ができません。
大学内のPCから、契約している人数のみアクセスできる仕組みになっています。

まとめ:効率よく探して、レポートをサクッと書こう
以上、文系の大学生に向けた、レポート用参考文献の探しかたのコツでした。
今の時代だと、大学で出されるレポート作成マニュアルや、図書館での検索サイトのマニュアルも整備されているので。
参考文献を調べたいときには、それらを読めばいいのですが、恐らく、情報量がとても多く。。
ぶっちゃけ「結局、何を検索すればいいのか」「どこで検索すればいいのか分からん」と戸惑う学生さんもいるかと思い、記事を書いた次第です。
ここまでの話を押さえておけば、よほど厳しいゼミ・教員でない限りは、レポートから卒論までは何とかなるはずっ。


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