
この記事では、こんな悩みにお答えします。
本記事の内容
ウェブ上でのコミュニティづくりの参考書3冊の紹介
この記事の信頼性
執筆者は院生で、組織と個人のつながりを研究している
紹介する本は、コミュニティ形成の視点から読解・書評している
以下では、コミュニティづくりで参考になる本をピックアップしていきます。
この「コミュニティ」は、「オンラインサロンにみられる、ウェブ上の閉じた結びつき」を指しています。
そのため、ウェブ上でのつながりを、コミュニティという結びつきにするための、実践的な事例を紹介している本に焦点をあてました。
どれも堅苦しさがなく、実践の経過が具体的でわかりやすい、そんな本を厳選して紹介しています。


西野亮廣:革命のファンファーレ 信用
お笑い芸人・キングコングの突っ込み役で人気となった、西野亮廣(にしのあきひろ)さんの著作です。
今現在は、会員数も50000人超と、国内最大規模のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」を主催する実業家でもありますね。
その西野さんが、絵本作家として有名になった『えんとつ町のプペル』の出版にまつわる話が、本の中心的な内容であるものの。
「ビジネス書」と位置づけられているこの本で、彼が一貫して強調するのは「信用を持つ」という点です。
例えば、
クライドファンディングや、オンラインサロン、その他もろもろの「信用をお金に両替するツール」の登場により、正直者がバカを見る時代は完全に終わった(p.64)
「信用持ち」は現代の錬金術師だ……まもなく、物質ではなく、サービスでもない、個人の信用そのものが売り物となる職業が世に出てくるだろう(pp.262-263)
といった語り口は、信用を最重要にする彼の姿勢を示すものでしょう。
どんな取り組みにも、常についてまわる「信用」を、彼はいかに活用したのか。この本では、ウェブ上でのつながりの活用、今日の「西野亮廣エンタメ研究所」につながるコミュニティ形成の過程が、非常に説得力をもって描かれています。
▼本の詳細・内容はこちらで確認できます▼
>> 革命のファンファーレ 現代のお金と広告 (幻冬舎単行本)
ヒカキン:僕の仕事はYouTube SNS運用
次は、2013年に国内YouTuberの先駆け的存在になるHIKAKIN(ヒカキン)さんが出した、初の単行本です。
現在、ヒカキンさんの「HikakinTV」登録者数は867万人と、国内最大級のYouTubeチャンネルとなっています。
この本は、彼のデビュー時から、今のトップユーチューバーに駆け上がる様子の回顧録といえますが。
ただ振り返っているだけではなく。そこには今日、SNSでファンを増やそうとする人の基礎知識といえる内容がちりばめられています。
例えば、
「毎日、みんなに楽しんでもらえるチャンネルが作りたい」と考えた僕は、「HikakinTV」を、SNSやブログの動画バージョン的なものにしようと思いました(p.42)
短いコメントを書いただけで、なんとなく一緒にそのチャンネルを作っているような気がしませんか?視聴者と一緒に作る「参加型チャンネル」こそ、僕が目指している動画作り(p.105)
などの言葉は、一緒に何かをつくっていくという気持ちの共有が大事だと伝えてくれますね。
トップユーチューバーが、その地位を得るまでに心がけてきた事柄とは何か。2013年の著作だからこそ、今も変わらないSNS運用の原理・原則を、動画配信者の立場から明らかにしてくれる本です。
▼本の詳細・内容はこちらで確認できます▼
マツダミヒロ:コミュニティをつくって自由に生きるという提案 つながり
マツダミヒロさんは、心理学やコーチングをベースにした「魔法の質問」というメソッドを考案。
「質問家」という、新しいかたちのインストラクターを5000人輩出する、オンラインコミュニティの主催者です。
西野さんが「信用」、ヒカキンさんが「SNS運用」をキーワードとする本とするならば。
マツダさんの本は「つながり」を中心にした構成になっているといえます。
例えば、
強いつながりをつくるには、まずは弱いつながりをつくることです。弱いつながりがないと、コミュニティはできないからです(p.23)
「一度つくったご縁は、ずっと深め続けなければいけない」……でも、本当に重要なのは「目の前の人と会っている、その場」なのです(p.70)
といった話は、まったくの他者だった人との交流が常態化した、現代のつながりを教えてくれるはず。
ネット上でのつながりにある気楽さ・身軽さと、その一つ一つを大事にする姿勢。この両面を活用しながら、自身のコミュニティをつくりあげていく様子は、一読の価値があります。
▼本の詳細・内容はこちらで確認できます▼
まとめ

「信用を持つ」意義を知りたいならば
「SNS運用の基礎」を知りたいならば
「つながりの深めかた」を知りたいならば
という具合に、一つ一つの本に個性がありますっ。
