今、大学生で無気力感がすごい…。どう改善すればいいんだろう?
こんな疑問にお答えします。
大学生にありがちな悩みの一つが「勉強・大学生活への無気力」です。
無気力症候群という症状ですが、実際にかかると何事も手がつかず、将来も不安に思えてきます。
自分も体験してつらいなと感じた話なので、かかった状態と改善策が、他の方の参考になればと思い記事にしました。
本記事は、中の人の無気力症候群の体験談にもとづきます。
改善策が、同じく無気力に悩む方の手助けになれば幸いです。
大学生の無気力症候群(スチューデント・アパシー)とは?
まず、大学生の無気力症候群(スチューデント・アパシー)の定義をみてみましょう。
スチューデントアパシーとは、特定の原因がないにもかかわらず勉学に対して選択的に無気力を示して、無感情化した大学生の状態を指した言葉である。
狩野・津川(2011)「大学生における無気力の分類とその特徴」p.168
一言でいえば「学業だけ気が乗らない状態」となりますね。
これだけだと「甘えじゃないか?」といわれそうなので、以下で無気力症候群の特徴など、一通り確かめてみましょう。
大学生の無気力症候群の特徴
大学生の無気力症候群は、上述の引用のように「選択的に無気力化する状態」が最大の特徴です。
具体的には、サークル・部活動やアルバイト、友人との遊びはこれまで通り楽しいと感じられます。
反面、大学の授業や課題、将来の進路選択(就活)といった活動になると、無気力感が増すわけですね。
もちろん、学期はじめや低学年のうちは問題ないかもしれません。
しかし、いずれは進級や就活をするようになるので、そのときに支障をきたす可能性が大です。
とはいえ、自覚症状がないことも多々あるのも、無気力症候群の特徴の一つ。
そのため、周囲には不真面目な学生と映っているだけの環境になり、大きな問題となってしまいます。
ただ、意外にも真面目な学生さんがかかるのが特徴です。
簡単な性格診断を次でやってみましょう。
大学生で無気力症候群になりがちな性格
今書いたように、大学生で無気力症候群になりがちな性格があったりします。
無気力になりがちな学生さんの性格について、性格診断風に確かめてみましょう。
Yesが多い大学生の方ほど、無気力症候群になりやすい性格となりますよ。
そして、それがいわゆる「優等生タイプ」な学生さんであることもわかると思います。
原因は何なのか、あわせて確かめておきましょう。
大学生が無気力症候群になる原因って?
大学生が無気力症候群になる原因は、「自身の目標を見失うこと」にあります。
とくにこれまで、大学への入学を目標に勉強してきた学生さんは注意が必要。
というのも、大学は良くも悪くも自由で、やりたいことは自分でみつけなければいけない環境だからです。
加えて、高校までとは違って、大学という場は全国から様々な学生さんが入学してきます。
そのなかで、学業成績やスポーツ活動など、これまでになかった競争にさらされるかもしれません。
こうした競争にさらされたとき、気持ちが高まる人もいれば、嫌だなと感じる人もいるはず。
この「嫌だな」を大学に行くたびに感じ続けてしまうと、次第に大学生活への気力がそがれるわけですね。
大学生の無気力症候群の典型例が、中の人の話です。
休学を挟んだので、なかなかの体験だったはず…。
無気力症候群にかかった人の状態:中の人の場合
無気力症候群(スチューデント・アパシー)は、大学1年生など、進学直後になりやすいといわれています。
そして、ブログの中の人が「あっ、無気力感が半端ない…」と感じだしたのも、大学院に進学したあとの話。
院生・教員らと交わるうち、「何のために勉強するんだろう」と感じ始めたことが発端かと思います。
無気力症候群かなという時期がどんな状態だったか、リストアップすると以下の通りです。
といった具合です。
一言でいえば、これまで普通にやれていたことも、まったく気が向かなくなる感じでしょうか。
とくに無気力になったのは「大学生活(学業面)に関連した事柄」です。
まず、学会・研究会でマウンティングが好きな人たちと接するのは、本当に嫌だなと感じるようになりました。
また、教員などに連絡を取るときも、あまり急かさないでほしいと思うようにもなっていったことを覚えています。
これは長引かせたらまずいだろうなと考えたので、まずは大学での人間関係を少し整理。
嫌だなと感じる人とは距離をたもちつつ、次に示した無気力感を改善するための対策を立てることに。
中の人の場合、徐々に無気力感を改善できました。
回り道が必要なタイプだったのかもしれませんね。
大学生が無気力になったときの改善策とは
社会人と違って、時間がたっぷりあるのが大学生の強みです。
そこで、無気力になったとき、以下のような対策を立てることができます。
大学生の無気力を改善する方法
- 人に話す(カウンセリング等)
- 生活習慣を見直す
- 短期的な目標を立てる
- 簡単な行動をこなす
- 身体を動かす(運動・筋トレ等)
- 読書をする
- 映画鑑賞や動画をみる
- 気になることを試してみる
- 少し長期的な目標を考えてみる
以上のリストは、中の人が試した内容とその順番となります。
無気力感は、何もしないことでますます高まるので、まず何かすることが大事です。
とはいえ、大学生の本業は勉強だからと、一足飛びに戻ろうとするのはなかなか困難。
そこで、リストにあげたような簡単なことからこなしていけばOKですよ。
考えすぎず、まずは気を紛らわすのが大事っ。
人に話す(カウンセリング)
大学では、悩みがある学生さんに向けて、カウンセリングの場を用意しています。
誰でも利用することができますし、勉強だけ無気力、というお悩みも受付中なので、気軽に相談してみましょう。
とくに無気力症候群の場合は、普通の人に話しても「甘えじゃない?」と返される可能性が大きいです。
そのため、専門のカウンセラーさんにお話するほうが、より親身になってくれますよ。
誰かに聞いてもらうだけで、随分と楽になります。
話してスッキリすると、行動する気にもなれますね。
生活習慣を見直す
朝起きて夜寝る、という基本的な生活習慣を守るのが、無気力にも効果的といわれています。
例えば、九州大学が2020年に行った学生アンケートでは、「生活リズムの乱れが不健康につながること」から、生活習慣をまず質問していました。
コロナ禍における、学生の気分の変調と生活習慣の乱れは関係している、という仮説が真っ先に立てられたわけですね。
このようなアンケート調査に限らず、カウンセラーさんも、体調を知るために「夜更かししていませんか?」といった話をたずねます。
繰り返すと、朝起きて夜寝るという基本的な生活習慣を整えることは、無気力の改善策として有力なわけですね。
短期的な目標を立てる
無気力ななかで、人生設計の見直しをするような長期的な目標を立てるのはハードそのもの。
そこで、比較的簡単に達成できるような、短期的な目標を立てていくと効果的です。
などなど。
繰り返しですが、何も目標を立てずに「起きる→バイト→寝る」といった単調な生活を送っていると、気力も失われていきます。
そのため、日々のメリハリをつけるための短期的な目標を立て、達成していくことで、気分もあげていくことができますよ。
まず目標を立てたら、立てた自分を褒めましょう。
小さな成功体験を重ねるのが、無気力改善の鍵です。
簡単な活動をこなす
短期的な目標が決まれば、目標に向けた行動をしているうちに無気力感もやわらいできます。
資格の勉強をしているならば、テキストの何ページまで進められた、という日々の達成感が出てくる感覚ですね。
目標に向けた行動以外に、日常生活での簡単な活動をこなすことでも、日々の取り組みに弾みがつきます。
例えば、以下にあげる運動や読書、動画観賞もそうですし、お部屋の掃除みたいな作業でもOK。
要は、何もしないよりは、何かして気を紛らわすほうがよく、簡単な活動でエンジンがかかればより良いというわけですね。
身体を動かす(運動・筋トレ等)
運動をして身体を動かすのも、気力を回復するのに有効な手段です。
厚生労働省の策定した「健康づくりのための身体活動基準2013」でも、以下のように記されています。
身体活動(生活活動・運動)に取り組むことで得られる効果は、将来的な疾病予防だけではない。日常生活の中でも、気分転換やストレス解消につながることで、いわゆるメンタルヘルス不調の一次予防として有効である……
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」
お掃除のような生活活動から、ウォーキングや軽いストレッチのような運動まで、身体を動かせばいいことあるよという内容ですね。
気分転換という意味でいえば、思い切って筋トレに挑戦するのも一つの手です。
普段とは違う活動であるほど刺激的ですし、無気力感を紛らわす手助けにもなりますよ。
ジムに通うのも、筋トレ器具を買ってみるのもOKっ。
ジムひと月ぶんのお金があれば、自分に必要な器具を買えますよ。
読書をする
読書も、無気力な状態をやわらげるのに役立ちます。
というのも、本を読むことで自分の知識も増えて、今・将来やりたいことがみつかる可能性もあるからですね。
ただ、まず読むことが大事なので、ここでの選書の基準は、読む気分になれる本となるでしょう。
幅広いジャンルとなるので、ベストセラーや新着、今月のおすすめ本から探していくのが有効です。
ただ、こうした読み方の場合、一冊ずつ買うとなかなかの金額になってしまいます。
そのため、AmazonのPrime ReadingやUnlimitedなどの読み放題サービスを使うと、費用をおさえられますよ。
無気力なときは、自己啓発本を読むのも一つの手です。
『諦める力』など、いい感じに触発されることがあるかも。
映画鑑賞や動画をみる
映画やドラマ、アニメなどの動画をみるのも、無気力を改善する策として有効です。
YoutubeやPrime Videoあたりの動画をみるだけでもいいですし、先ほどの読書やお掃除と組み合わせるのもOKです。
ただ遊んでいるだけのようですが、無気力感が強いときは「今日はここまでやった」と感じることが大事ですよ。
「勉強してないや…」といった、後ろめたさを紛らわすのもポイントです。
大学生には時間はたっぷりあるので、目いっぱいくつろぐ時間を得ましょう。
気になることを試してみる
経験談ですが、無気力感が支配するなかにいても、フッと気分が乗る日は出てくるものです。
または、これまで書いた活動をしているうちに、多少気力が戻る一日もあったりします。
そうした「気分がいいな」と感じる日には、これまで気になっていたことを試してみましょう。
短期的な目標を立てる箇所で書いたような、資格取得やパソコンのスキルアップなど。
負担にならない程度に活動を続けることで、気分が持ち直す日が増えてきますよ。
例えば資格取得なら、次の2サイトはコスパもいい感じっ。
少し長期的な目標を考えてみる
短期的な目標の達成やその他の活動は、自分の気分をあげていくためのものでした。
無気力感が減ってきたなと感じたら、少し長期的な目標を考えてみましょう。
少し長期的な目標とは「何に取り組みたいのか」と考えてみることです。
通常の学生さんは、大学生活や学業をこなしながら、何となく考え(目標)が定まっていき、そのまま社会人となります。
無気力症候群になった学生さんは、いわばこの目標をまとめるための時間が少し多く必要なわけですね。
「資格を役立てる仕事につく」「パソコンスキルを実践的に磨く」など、回り道したぶん目標も探しやすくなったはず。
あとは、今の自分にあった道をみつけて、学業に励んでいきましょう。
大学生のうちはモラトリアム(猶予期間)ともいいます。
自分のペースでのんびり行きましょう。
大学生の無気力症候群は時間をかけて対処しよう
ここまで、大学生の無気力症候群の状態と改善策をお話ししてきました。
記事をまとめると、
となります。
繰り返しですが、大学生には時間がたっぷりあります。
そのため、無気力な状態になっても、じっくり時間をかけて改善していけば大丈夫ですよ。
「学業だけ気が乗らないのは甘えでは?」という声があるかもしれませんが、気が落ちるのは事実。
無理に頑張って、より深刻な症状になっては身もふたもないので、適度に聞き流すのが吉です。
自分にあった対処法で、無気力を乗り切りましょうっ。