
こんにちは、りくななです。
ここ最近、Webライティング(記事)とアカデミックライティング(論文)を比べつつ。
「役立つ・有益な」文章というときの、意図の違いを考えていました。
結論からいえば、記事は「販売」、論文は「真実」の追求が有益さになるので、ゴールが違うなと。
でも、書きかたの要点は共通していると感じます。
そのため、Webライティングでも参考になる、アカデミックライティングのスキルを抜きだそう。というのがこの記事の狙いです。
書きかたの重要な基礎は同じ

今、話したように、ライティングの重要な基礎部分の多くは、Webもアカデミックも共通しています。
- 読み手に伝わる文章を目指す
- 具体的な読み手を想定する
- アウトラインを設計して書く
- 序論・本論・結論で書く(起承転結を避ける)
- 正確な引用を心がける(無断転載は避ける)
などなど。
なので、ここではとりわけ大事な項目として、「アウトライン」に焦点を当てたいなと。
アウトラインを設計して書く
今、長文に対して「2000字程度」が、Webライティングで程よい長さと聞いています。
大学で例えると、簡単なレポート課題ほどの文章量でしょうか。
この、「何文字程度」におさめる前提に立ったとき。
事前にアウトラインがあるかないかで、書きやすさも完成度も全然違ってきます。
アウトラインで参考になった動画として、マナブさんの以下の動画があげられます。

というのも、まず論文の書きかたで指導されるのは、問題意識と書く意義、使う資料を明確にして、文章の大枠を設計することで。
その大枠から、各節、各項の細かな単位の文章、図表をつなげていく作業に移っていく流れになります。
逆にいえば、この大枠があいまいな段階では、文章の内容がまとまらず、書くのに苦しむわけですね。
なので、文章を設計する段階というのは、とても大事な基礎作業で。それを丁寧に解説しているのはすごいなと。
そのなかで、アカデミックライティングのスキルを抜きだすとすれば。
「引用の正確性」と「ストイックさ」の二つになると思います。
スキル1:引用の正確性

順に解説すると、事前に使う資料を明確にすることは、引用の正確性にも直結します。
一次資料と適切な先行研究を使う
例えば、レポート課題でもそうですが、引用では一次資料を使いなさいとよくいわれるはず。
つまり引用の正確性とは、元の出典を自分の目で確かめて、正確に使用すべしという話ですね。
あと、使う資料を明確にする点でいえば、有名な(適切な)先行研究は、論拠を確保するうえで不可欠です。
Webライティングでいえば、著名人・公式サイトの「権威性」で信用度をあげるという話になるでしょうか。
つまり、正確な引用に関する指導は、アウトライン設計時も本文書くときも、絶対に受けるわけですが、

という引用の正確性が、アカデミックライティング最大の特徴かつ応用のきくスキルだと、個人的には考えます。
何か新製品を売るとしたら。
- まず公式サイトのプレスリリースを引用する(引用の正確性=公式発信の権威性)
- 自分の体験談ないし製品への知識を話す(自分発信の権威性)
- その後、派生したコメントを紹介する設計をほどこす(社会的信用)
この工程を考えるはずです。どれかだけだと訴求力が弱いので。
客観的事実と主観的な感想を織り込むことで、記事の信用性も大きく上げられます。
なので、引用の正確性を心がける姿勢は、参考にできると判断します。
▼アカデミックライティングの参考文献▼
スキル2:ストイックな姿勢

次の「ストイックさ」というスキルですが。
自分自身の課題解決に取り組む姿勢としておきます。
どんな課題にストイックに取り組むのか、周りの院生・教員をみてみると。
議論の筋道を整える
webライティングでは、読者の共感を得るための説明に文章を割いていると思いますが。
アカデミックライティングの場合、その共感は議論の筋道の正しさから発生します。
違いは何かといえば、

というもので。
要は、真実を追求するために、信用できるデータを集めて堅実に、でも独創的な結論を導く。
これが論文の書きかたで、感情に訴えかけて共感を得る必要はない、という話です。
二つ目のスキルを「ストイック」と表現する理由でもあるのですが。。
とはいえ、販売を追求する記事は、感情を動かさないと成立しないので。
議論の筋道が整えば、感情なくとも共感に働きかける力をもつ文章ができる。この点にフォーカスしてみましょう。
著名人にはストイックさがある
例えば、新書・映画化なんかで一大ブームを巻き起こした人の場合。
その前段階として、ストイックに、カッチリとした書籍を出版していたりします。
テレビのコメンテーターでもみかける、磯田道史さんを例にあげてみると。
こんな感じの変遷です。
上から下にかけて、カッチリ→ソフトな文章になっていくのですが。
議論の筋道の整った、手堅い文章がまずあって。評価を受けて、文章に感情を含める方向にシフトしていった。
そしたら、共感も増えていって、人気の学者・評論家になったという話になりますね。
一言でいえば、議論の筋道が整ったうえで、感情面も考慮した文章を書ける人は最強。といったところでしょうか。
繰り返すと、ストイックに黙々と、筋の一貫した文章を書く姿勢。
これが、アカデミックライティングの第二のスキルになるわけです。
まとめ

まとめると。webライティングもアカデミックライティングも、書きかたで重要な基礎とされる部分は似通っています。
そのなかで、あえてアカデミック界隈から参考になるスキルをあげるならば。
文章の正確性の追求やストイックな姿勢になるだろう、といった話でした。
磯田さんがアカデミックライティング側ならば、動画を紹介したマナブさんはWebライティング側の人と区別できますが。
この中間に近い人として、メンタリストのDaiGoさんなんかがいるのかな、と個人的には感じます。
DaiGoさんの動画や本をみていると、一般視聴者向けの話をしながらも、きちんとした引用で正確性を確保していますし。
ストイックさでいっても、読者の質問にきちんと答えなければという行動に根ざした姿勢がよく伝わってきます。
この記事でお伝えしたかった、うまくアカデミックライティングを取り入れた、典型的な人なのかもしれません。
▼DaiGoさん関連文献▼