こんにちは、りくななです。
今回は、大学のレポート課題の書きかたをとりあげます。
通常、大学の講義で期末にだされる課題には、試験とレポートの二種類が想定されます。
大学によっては、「レポート作成の手引き」みたいなマニュアル本があったり。
もしくは「文献・資料の探しかた」みたいなガイドがあったりします。
ただ、大学で用意しているレポート対策マニュアルは、ボリュームたっぷりな構成だったりするので。。

という学生さんの場合、マニュアル通りに進めていくのは、なかなか大変だと思います。
そこでこの記事では、レポート作成の時間短縮をモットーに、簡単にレポートの書きかたの要点を整理したいと思います。
わかりやすいテーマになおそう
レポート課題では、まず教員が大枠になるテーマを設定しています。
そのため、教員が設定したテーマで書くことになりますが、これがなかなか書きにくい。。
わかりやすいテーマに手直しする
なぜ書きにくいかというと、教員のお題は、基本的には範囲がひろいテーマなので。
その大枠のお題を、自分のレポートにそのまま設定しても、ほぼ間違いなく処理しきれないはずです。
結果として、書く側、読む側の両方にとってわかりにくい内容になってしまいます。。
そこでまずは、書き手になる自分にとって、わかりやすいテーマに手直しすることが大事です。
範囲のしぼりかた
わかりやすく手直しする手段には、範囲をしぼるというやりかたがあげられます。
例えば、教員から「職業からみた現代社会の問題を論じよ(1200字以内)」といったテーマがだされたとしましょう。

なので、書きやすく・時間短縮ができるように、教員のお題から範囲をしぼっていきましょう。
具体的に範囲をしぼっていく手段は次の二つです。
- 講義内でだされたキーワードからしぼっていく
- 自分の興味関心があるテーマにしぼっていく
1:講義内でだされたキーワードからしぼる
「職業からみた現代社会の問題を論じよ」という設定なので。
「職業」というタームに着目して、身近な例で、ドラマ「ハケンの品格」をとりあげてみましょう。

派遣社員vs正社員のイメージ
ハケンの品格の主軸は「派遣社員(非正規雇用)VS正社員(正規雇用)」です。
職業をあつかう講義内で、十分に出てきそうな題材だと思うので、これを使ってみましょう。
2:自分の興味関心があるテーマにしぼる
次に、自分の興味関心があるテーマにしぼると、書きやすくなると思います。
ただ、教員のお題から外れないようにするのが大前提なので。
講義内容とシンクロしていなければ、かえって手間がかかります。
なので、「職業からみた現代社会の問題を論じよ」がレポートに出る講義で扱われていそうな。
例えば「親の経済格差(子どもの教育費の不平等)」という点を題材にしてみます。
すると、テーマを
「職業からみた現代社会の問題」→「現代の職業選択と教育格差の考察」
と、元々のテーマより問題設定を明確にしつつ、講義内容から外すことなくしぼりこめました。
これだと、書く側、読む側ともにわかりやすい内容になりそうです。
参考文献をさがす
次に、レポートのテーマにそった参考文献を探していきます。
一番簡単なのは、講義内で使用された、あるいは紹介された本をひっぱってくることです。
テーマを講義内のキーワードから選ぶと、講義内容をふまえたレポートだと強調しながら時短できます。
時短でいえば、アウトラインも講義の内容をなぞる方針をたてておくのが無難です。
講義ノート・メモに参考文献をあわせて、書く内容もまとまると思います。
紹介のあった本をザクッと読んで、使えそうな引用・データの目途をたてましょう。
レポートの型を整えよう
レポートの基本スタイル=型は、序論・本論・結論です。
次は、この三つの部分に集中して、レポート本体を書きます。
そして最後に、参考文献・資料をくっつけましょう。
レポートの表紙
本と同じく、レポートにも表紙があるので、先につくっておくのが無難です。
教員からの指示があれば、それに沿って作成すればよくって。
なかった場合でも、下の項目を入れておけば大丈夫だと思います。
- 講義名
- 担当教員名
- レポートの題名
- 提出日
- 学部、学科
- 学籍番号、名前
レポートの題名は中央寄せで、フォントサイズは14~16くらいと大きくして、目に入るようにします。
あとの項目は右寄せにしておけば無難かなと思います。
レポートの序論
序論では「テーマを選んだ理由」「本論をどう書いていくか」の二点をみせます。
以下、序論の例文をつくってみました。文章全体の割合としては、10~20%を目安にしましょう。
現代社会における職業の問題として、まず雇用格差があげられる。雇用格差とは、正規雇用者と非正規雇用者には賃金や雇用の安定度に格差があり、同時に非正規雇用者の比率が増加していることである。
ただこの格差から生じる、より大きな問題は、親が持つ学歴や所得の差が、教育を通して子どもの職業選択に影響をおよぼす教育格差にむすびついている点にあると、私は考えている。そこで私は、とくに教育格差による職業選択への影響について論じたい。
みたいな感じです。
ここで、注意点を二つあげておくと。
まず、文末を「だ、である調」か「です、ます調」で統一するようにしましょう。
小・中・高と、文章を書くうえで注意される点でもあり、表記のブレには厳しいと思います。
もう一つは、ネット上からのコピペは厳禁です。
コピペの判別ツールや、それっぽい箇所をピンポイントで検索→アウトの可能性大です。
このあたりの話は、以下の記事でもとりあげているので、ご参考ください。
例文でいえば、用語を説明する部分は定型文になりがちながらも。
自分の言葉で説明することを心がけましょう。
レポートの本論
本論では「どんな議論があるのか」「自分はどう考えるのか」「自分の考えを支えるデータに何があるのか」の三点を書きましょう。
ちょっと長いですが、例文です。
文章全体の割合でいえば、60~80%が目安とされています。
雇用格差の原因として、不景気による影響を考えられるが、それ以外にも教育格差が指摘されている。例えば「個人の職業は、受けた教育により左右され、その教育程度は親の階層に影響される」という引用をみよう。これは、親の学歴や所得が子どもの教育の質を左右する教育格差があり、それが職業選択にも影響をあたえているという議論の一つといえる。
橘木俊詔、2006、『格差社会 何が問題なのか』、 岩波書店。
私の考えも、この議論の立場に近い。つまり、今日の職業選択に教育格差がおよぼす最も大きな問題は、この格差によって「機会の不平等」が生じ、雇用格差が固定化されていく可能性があるという考えである。前近代では、身分制度という属性主義にもとづく地位によって、社会移動が制限されていた。しかし時代を経るにつれ、市民革命による身分制度の打破に代表的な、機会の不平等の是正が行なわれてきた。その結果、個人が教育や努力により得た業績主義的地位に基づく社会階層が形成され、現代の職業選択の自由につながった。
しかし近年、上述の議論にもとづく機会の不平等が生じつつあるようだ。例えば、子どもの出身家庭における親の職業や学歴で区分した階層と、中学校時代の成績について1979年と1997年を比較したデータでは、上位階層と下位階層の差が明らかに拡大している。そして「東大の入学生の多くは私立の進学校出身者へと変化しており、その親の所得は日本の大学では一番高い水準にある」という指摘がなされた点は、現代に教育格差があることをしめしている。そしてこの点は、先ほどの引用を考慮すると、職業選択上の不平等とむすびついているわけである。
森岡清志、2010、『社会学入門』、放送大学教育振興会。
こんな感じでしょうか。
一番下の文献情報は、基本的には最後の参考文献リストにのせます。
細かくみていけば、論理的な抜けはたくさんあるのですが。。
とりあえず話の流れは整っていると思うので、これで良しとしておきましょう。
レポートの結論
結論は「本論のまとめ」「今後の課題」の二点でしめます。
文章全体の割合は、序論と同じく10~20%になります。
以上をまとめると、親の学歴や所得が子どもの教育の質を左右する教育格差が今の日本には存在している。そこに、職業からみた現代社会における問題、つまり次の世代が職業を選択するうえでの機会の不平等という問題が発生していることがわかった。
これら格差を是正するためにどうすべきか、それが次に考えるべき課題となるだろう。教育をうける機会が平等にあたえられるための制度設計と、現在の雇用格差を是正していくための制度設計、この両面において広範な議論が求められている。
本論で述べたことをいいなおしつつ、そういう今後の展開は大事だろうなという課題を提示して、文章をしめます。
レポートの参考文献等
それで、レポートの参考文献は、最後の最後にくっつけます。
教員からフォーマットがだされているならば、それにしたがって書くといいです。
もしなければ、下のように書いておけば、とりあえずは大丈夫なはず。
- 本 著者名、発刊年、『本のタイトル』、出版社
- 雑誌論文 著者名、発刊年、「論文タイトル」、『雑誌名』、ページ数
- ウェブサイト ページの製作者名、引用ページの公開年、「ページ名」、サイトの制作者名、取得日
こんな感じですね。
つまり、本当にそんな文章があるのかを、きちんと検証できる情報を載せておいてください。
といった感じのルールになるので、それを表示していればOKです。
あと、おまけとして。レポートの見た目を整えることは重要です。

という話も、以下の記事でまとめているので、ご参考ください。
まとめ
以上、教員にサクッと読んでもらう簡単なレポートの書きかたとして、ポイントをおさえて解説しました。
一言でいえば、テーマをしぼってから書くのはとても重要、という話でしょうか。
今回は、時間短縮というところを一番意識したレポートの書きかたを記事にしてきたのですが。
もう少し具体的かつ細やかに、と感じたときには、市販で良質な本もたくさんあるので。。
一冊でも用意しておけば、スムーズに書けるようになると思います。
▼読み物としても面白いレポート・論文の解説本3選▼
最後の最後ですが。
個人的な経験則では、細かく意識して書くと、時間はかかるかわりに良いレポートになるはずです。
良いレポートを書いていくと、教員との関係構築につながる可能性もあります。
この教員との関係は、就職を見据えたゼミ選び~ゼミ活動でも大事な話になってくるので。
自分にとってベストな書きかたを考えましょう。