本記事では、以上の疑問にお答えします。
本記事の内容
1.初年次英語のクラス分けの仕組み
2.クラス分けされた英語の授業内容
3.必修科目の英語で単位を落とさない方法
この記事の信頼性
執筆者は院生で、大学での講義を補助する業務にたずさわってきた
業務の一環で、学部生に単位の取り方や履修方法をアドバイスしている
新入生の方、大学1年でクラス分けをされる「英語」の授業内容に不安を覚えたりしませんか?
結論、もし不安ならば、必修科目の英語では「自分のレベルより下のクラス」を選んでも問題ありません。
というのも、クラスの高低は成績に反映されませんし、1年次で必修単位を落とすと他の成績や大学生活に影響するからです。
英語のクラス分けは授業レベルだけを決める
大学での英語のクラス分けは、個々の学生さんのレベルにあった授業を受けてもらうためにあります。
というのも、全員一律ではついていけない人も出ますし、語学力の高低にあわせてクラス分けするほうが合理的だからですね。
1-1 必修科目の英語(必修英語)とは
必修科目の英語(必修英語)とは、初年次教育のうち「卒業のために絶対に落とせない科目(必修科目)」となる「英語」です。
簡潔に書くと、大学の講義とは、
- 必修科目 単位取得しないと卒業できない(選択不可)
- 選択必修科目 単位取得しないと卒業できない(選択可)
- 自由科目 単位取得は自由(選択可)
と三つの科目で構成されていて、このうち「必修科目」「選択必修科目」は、とらないと卒業できない仕組みになっています。
とはいえ、初年次教育で必修にして単位を落とす、ついていけないという学生が増えるのは大学としても困ります。
そこで毎年、大学新入生に向けて英語のクラス分けテストを実施するわけですね。
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1-2 なぜクラス分けをするのか
今お話したように、英語に関しては多くの大学でクラス分けが実施されています。
というのも、大学も必修科目の単位は落としてほしくないからですね。
とくに英語は、これまでの習熟度(能力差)が大きく出るので、事前にクラス分けテストを実施して学生の英語力をはかります。
このテスト結果におうじて、新入生の皆さんは、各大学で設定しているレベルのクラスにふりわけられる仕組みです。
参考までに、文部科学省の調査「大学における教育内容等の改革状況について(平成30年度)」をみると、英語教育で「能力別クラス編成」を採用している大学は74.2%に達しています。
1-3 大学での英語クラス分けテストの具体例
例えば、立命館大学の英語クラス分けテストをみてみましょう。
受験対象学部 | テスト名 | テスト主催 |
法学部 文学部 経済学部 スポーツ健康科学部 食マネジメント学部 |
CASEC | 英検 |
国際関係学部 映像学部 総合心理学部 |
GTEC Academic | ベネッセ |
産業社会学部 理工学部 情報理工学部 経営学部 |
TOEIC Bridge Ⓡ |
IIBC |
生命科学部 薬学部 |
入学後に学部独自のテスト | 立命館大学 |
出典:立命館大学「新入生の英語クラス分けテストについて」より作表
と、英検やIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)、ベネッセによる英語能力テストの他、大学で用意したテストを使用しています。
この他にも、海外留学の指標に使われる「TOEFL-ITP」も主要なテストの一つですね。
1-4 英語クラス分けテストは成績に影響するのか
結論、成績は「英語1」「英語2」など履修登録した科目で決まるので、その内訳となるクラス分けはカウントされません。
もし、カウントされていたとしても、入学時の成績を卒業・就活の段階で気にする人はいません。
また、TOEICやTOEFLといった英語能力テストの点数も、履歴書に書くなどの自己申告が基本なので、こちらも気にする必要はないです。
ならば気にするべきは、履修登録した必修英語で単位を落とさないことと、ついでに良い成績をとることですね。
そのため、入学後の英語クラス分けテストでは、自分の能力より低いレベルに調整して、そのクラスでいい成績を得ることがベストになるわけです。
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クラス分けした必修英語の授業レベルと内容
必修英語の授業レベルは、すべてのやりとりを英語でこなす授業から、中学・高校のおさらいまでとピンキリです。
とはいえ、その内容は大まかには、
- リーディング
- ライティング
- スピーキング(ディスカッション)
- プレゼンテーション
の4つになります。順に確認してみましょう。
リーディング
必修英語のリーディングは、指定テキストを使う場合もあれば、教員が用意する配布物を使う場合もあります。
難易度は、高レベルの授業だと英語論文・書籍の読解、低めのレベルだと、中学・高校の復習といった内容までと幅広いです。
ライティング
必修英語のライティングでは、授業で必要な英単語・文法を学んで、英語レポートを作成して提出する、という内容を想定できます。
難易度はリーディングと同じく、英語論文・書籍から中学・高校の復習までと幅があります。
提出物を期末レポートとするのか、レポートとは別に期末テストをするのかは教員次第ですが、提出することを意識しましょう。
スピーキング(ディスカッション)
スピーキングでは、例えば授業日のテーマについての意見を求められたり、学習した内容を復唱したりといった場面が想定できます。
英語が苦手な人だと抵抗があると思いますが(執筆者もそうです)、英会話のスキルを身につける機会だと割り切るしかない。。
逆にいえば、クラス分けテストで授業レベルを下げておくと、とくにスピーキングで他の学生さんよりも優位に立てるわけですね。
プレゼンテーション
高レベルの授業であれば、スピーキングとは別に、英語によるプレゼンテーションを求められるケースも想定できます。
クラス内の学生さんをグループ別にわけて、教員の課したテーマにそって、英語でプレゼンするという学習内容ですね。
必修英語はあくまでも中高の延長にある授業
以上、リーディング・ライティングで英語論文や書籍を使うかも、英語でプレゼンするかも、といった話を述べてきましたが。
あくまでも必修英語は中学・高校でならう英語の延長だ、そう考えていいでしょう。
理由は、文科省が各大学に「高等学校等での履修の状況に配慮した取組」の推進を求めていて、それに対してクラス分けを大学が採用しているからです。
※(文部科学省「大学における教育内容等の改革状況について(平成30年度)」)
とはいえ、初年次の英語は単位を落とせない必修科目なので、クラス分けテストで授業レベルを下げて、確実な単位取得を狙うのが吉ですね。
必修英語の単位を落とさない方法
最後に、英語クラス分けテストで低めのレベルに入ったけど不安、そもそも授業についていけないんじゃ、という人向けのアドバイスを。
結論、
- 毎回きちんと出席する
- 当てられたら恥ずかしくても発話する
- 提出物はかならず出す
この3つさえ守っていれば大丈夫です。
毎回きちんと出席する
そもそも必修英語の授業についていけない人でも、必修科目の単位は必要だ、これは誰でもわかる話です。
ならば、「せめてきちんと出席していれば単位を出す」という方針をとる教員も多いことでしょう。
もちろん、出席で単位を決めるつもりはないにしても、毎回まじめに出席している学生には助け舟が出る可能性が高いです。
恥ずかしくても発話する
リーディング・ライティングという読み書きが基本だとしても、あわせてスピーキングもついてきます。
教員によっては、コミュニケーション能力を重視して、英語で話すことを求めてくるかもしれませんが、応じましょう。
恥ずかしくて話せない、頭が真っ白になる、教員は想定済みです。なので、一生懸命伝えようとする心が大事になってきます。
提出物はかならず出す
授業で指示があった課題レポート・提出物はかならず提出しましょう。
提出物のクオリティなど気にしたらキリがないですし、たいていの教員も気にしていません。
必修科目はこなすことが大事です、こなさなければ0点、でもこなしたら出席・発話以上の評価をゲットできます。
それでもハードルが高いと感じる人に、以下の2つのアドバイスです。
簡単な日本語を使った文章を機械翻訳する
本当に英語の授業についていけない人の最終手段が「Google翻訳」です。
昔と違い、最近のGoogle翻訳は精度が格段にあがっているので、簡単な日本語ならば、かなり正確な英文に直してくれます。
文法面を修正するには「Grammarly」
とはいえ、文法面ではちょっとミスがあるかもしれません。
そういうときは、英文校正ツール「Grammarly」で修正すればOKです。
まとめ:確実に単位をとれる英語のクラスを選ぼう
今回は、大学で初年次の必修科目となる、英語クラス分けの仕組みと授業内容をお話ししてきました。
記事内容をまとめると、
- 英語のクラスの高低は成績に影響しない
- 必修英語はあくまでも中高の延長にある授業
- まじめな授業態度であれば単位はとれる
となります。
英語・第二外国語をふくめて、負担の大きい語学の単位を1年目に落とすと、翌年以降の他の成績にも影響してきます。
なので、必修科目の英語では「自分のレベルより下のクラス」を選んで、確実に単位をねらうのがベストです。
そのために、入学時の英語クラス分けテストが存在すると割り切ったら、気持ちも楽になります。良き大学生活となりますよう。。
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第2回
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第3回
上手な時間割の組み方を知ろう
ブレイクタイム1
大学生の必須アイテム「Prime Student」とは
第4回
第二外国語のオススメな選び方
第5回
必修単位「英語」を確実に取る方法(この回)
第7回
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