本記事では、以上の疑問にお答えします。
本記事の内容
1.基礎ゼミの概要と目的
2.一般的な基礎ゼミの授業内容
3.無難な基礎ゼミの過ごし方
この記事の信頼性
執筆者は院生で、大学での講義を補助する業務にたずさわってきた
業務の一環で、学部生にゼミでの過ごし方をアドバイスしている
新入生の皆さん、大学一年でクラス分けされる「基礎ゼミナール」の過ごし方で、不安を覚えたりしませんか?
授業についていけるのか、一人ぼっちにならないか、などなど。こんな悩みをもつ方は意外に多かったり。
結論、基礎ゼミナール(初年次ゼミ・基礎ゼミ)自体は簡単で、このクラスでぼっちになっても、以後の人間関係に影響はありません。
基礎ゼミナール(初年次ゼミ・基礎ゼミ)とは
基礎ゼミナール(初年次ゼミ・基礎ゼミ)とは、大学一年の新入生に向けた、大学生活の「チュートリアル」になります。
なので、通常の講義と違って、参加型の授業内容となっているのが特徴ですね。
そして、卒業するのに必要な「必修科目」なので、単位をとらなければ留年です。。以下、授業目的と内容をみてみましょう。
基礎ゼミナールの目的
例えば、文部科学省が「初年次における教育上の配慮」として、大学に求めているのは以下の事柄です。
学習の動機付けや習慣形成に向けて,初年次教育の導入・充実を図り,学士課程全体の中で適切に位置付ける……大学生活への適応,当該大学への適応(自分の居場所づくり,自校の歴史の学習等),大学で必要な学習方法・技術の会得,自己分析,ライフプラン・キャリアプランづくりの導入などの要素を体系化する(例:「フレッシュマンゼミ」,「基礎ゼミ」など)。
出典:文部科学省, 2008,「学士課程教育の構築に向けて(答申)」.(強調点は引用者による)
この要請に対応するかたちで、大学ごとに基礎ゼミナール、初年次ゼミなどの名称で授業が用意されているわけですね。
重要なのは、太字にしている
- 大学生活への適応(自分の居場所づくり)
- 大学で必要な学習方法・技術の会得
の二項目で、これが大学一年次の必修科目でもある、基礎ゼミナールの授業目的になります。
基礎ゼミナールの概要
基礎ゼミナールの授業目的にあった、「大学生活への適応(自分の居場所づくり)」「大学で必要な学習方法・技術の会得」の二点を中心に、授業計画が組まれていることがほとんどです。
具体的には、
- 大学施設の利用案内
- レポートの書き方
- プレゼンテーション
- グループワーク
などを一年間、クラスのみんなで考えながら学んでいこうという感じ。
生活面では、授業の合間で、大学教員(教授)とのメールのやりとりや時間管理などの話もしますね。
居場所づくりに関していえば、「みんなで考えながら学ぶ」ことでクラスメートだというのを意識させ、居場所づくりにつなげる、というのが授業のねらいです。
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基礎ゼミナールの授業内容
基礎ゼミナールは「チュートリアル」だとお伝えしたように、他の講義のように難しい課題はほとんどでません。
とはいえ、基礎ゼミでだされる課題は、他の講義をうけたとき、単位を落とすのを防ぐために意外と大事だったり。
具体的な事例として、
- 情報収集の方法
- 文献の輪読と発表(文献解題)
- グループワーク
- プレゼンテーション
この4つをあげてみましょう。
情報収集の方法
レポート課題やプレゼン資料をつくるうえで、参考になる本や資料を探すスキルはとても大事です。
というのも、大学でつくる文章・資料は、きちんとした根拠にもとづいていないと評価されないからですね。
そのため、図書館やメディアルームなど、情報収集する施設の説明や、実際の操作方法の確認などが、基礎ゼミに組まれていることが多いです。
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文献の輪読と発表(文献解題)
教員が指定したテキストをみんなで読んで、発表しあうという形式の基礎ゼミナールも多いです。東大が代表例でしょうか。
まず、自分が発表するターンでは、読んだ箇所の内容要約と意見・評価を、A4用紙1~2枚にまとめる作業が必要になります。
この配布資料を「ハンドアウト」や「レジュメ」、文献をレジュメにまとめる作業を「文献解題」とよんだりしますね。
グループワーク
基礎ゼミでグループワークという場合、みんなで考えながら学んで、仲良くなりましょうという意味あいが強い印象です。
なので、具体的に何をやるのかは、教員の趣味だったり、授業を補助する上級生・院生の持ち込み企画だったりと様々。
例えば、グループ分けして資料作成したり、大学近くを散策しつつ地域の歴史にふれたりといった内容でしょうか。
プレゼンテーション
個々人が資料を準備してプレゼンテーションをするほか、グループワークの成果物として行うケースもあります。
一般的には、
- プレゼン方法・パワポの使い方のアナウンス
- 自分/グループの関心にそったテーマを選ぶ
- 情報収集して、パワポで資料をつくって練習
- プレゼン本番
という流れ。
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基礎ゼミナールは必修科目 やったらダメなこと3選
基礎ゼミはチュートリアルではあるものの、単位を取らなければ卒業できない「必修科目」ということを忘れてはいけません。
ここでは、基礎ゼミを落とす人の共通点から、やってはいけないことを3つにまとめています。
- 欠席を6回以上する
- 提出物を出さない
- グループワークをすてる
大学の講義で欠席していいのは5回まで
通常、講義の欠席は5回までと、初回の授業(オリエンテーション)でアナウンスがあると思います。
なぜかというと、
法令上、大学における1単位当たりの授業時間数が十分に確保されていることが必要……講義であれば1単位当たり最低でも15時間を確保しなければならないことに留意する必要がある。
出典:文部科学省, 2008,「学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)」.
という、文科省の指導があるからです。
なので「15時間(900分)=10コマ分」を下回った場合、単位を落とす仕組みとなっています。。
提出物を出さないとダメ
どんなにゆるい基礎ゼミでも、出すものを出さないと点数のつけようがないので、落ちてしまいます。
プレゼンだったら、どんなにいい資料をつくっても、当日に発表しないと点数はつきません。。
教員によっては、補習なり別の発表の場をもうける場合もありますが、きちんと出すのが無難です。
グループワークは気楽にこなす
もう一つ、基礎ゼミでぼっち感がでてきた頃にグループワークがはじまって、出席しなくなるというのもありがちです。
ゼミの雰囲気になじめないなか、さらに人付き合い・気遣いを求められるわけなので、気持ちはわかります。。
そんなお気遣いさんは、すみっこにいてもいいんです。それで、グループメンバーに余計な気を使う必要はありません。
プレゼンが課された場合でも、少しだけ顔を出して、最低限の発言をすればOKです。
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まとめ:無理せずに大学生活のペースを身につけよう
今回は、大学の必修単位でもある基礎ゼミの授業内容と過ごし方についてお話ししてきました。
記事内容をまとめると、
- 基礎ゼミは大学生活の「チュートリアル」
- だされる課題は他の講義でも役立つ
- 欠席回数、提出物、グループワークに注意
となります。
繰り返しますが、基礎ゼミナールは大学の講義でも一番簡単で、このクラスでぼっちになっても、まったく問題ありません。
基礎ゼミのメリットは気楽に大学生活がわかる点なので、あわないなと感じたら、最低限=単位とることだけを考えれば大丈夫です。
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