レポートの書き方 大学生のスキル

大学での書評レポート(テキスト批評)の書き方【例・テンプレート有】

2020-10-06

 

大学のレポートで書評が出たけど、書きかたの例やテンプレートがあったら知りたい

 

本記事では、以上の悩みにお答えします。

 

本記事の内容

1.書評レポート(テキスト批評)の特徴=「論評」

2.書評の書き方=テンプレートの構成通りでOK

3.書評レポートで押さえるべき5つのポイント

 

この記事の信頼性

執筆者は文系院生で、レポート・報告書の添削歴も豊富

学会誌や紀要、一般書に10本以上の論文・コラム等を寄稿

 

大学生になると、「書評(テキスト批評)」という様式でレポートを書くことがありますが、本を読まない人にはなかなかの難題。

というのも、書評の書き方は「読書感想文」とは違い、ただの感想文・要約になってはダメだからです。

 

ななさん
そのため本記事では、書評の特徴と書き方のテンプレートを解説し、文章を構成するうえでのポイントを示します
りくくん
自分もお世話になった、以下の入門書をベースにした記事です。何度も書く機会があるので、例をみて押さえていきましょう~

 

 

書評レポート(テキスト批評)には「論評」という特徴がある

読んだ本の内容や思ったことを書くのは、書評(テキスト批評)も読書感想文も同じです。

では、大学の書評レポートとは、読書感想文と何が違うのでしょうか。

 

感想文=自分の感想、書評=客観的に評価という違い

結論、

感想文の書き方 自分が本に抱いた感想がメイン

書評の書き方 論理的・客観的な本の評価がメイン(論評)

と、文章のメインとなる部分に違いがあって、この書評の書き方を「論評する」ともいいますが。

なぜ、レポートで論評という行為が求められるのでしょうか。

 

理由は、大学の卒業後も必要になる「論理的な思考」を鍛えることにあります。

 

論理的な思考とは、正確なデータにもとづき、説得力のある主張を組み立てる能力ですが。

学生さんには、まずは書評レポートで、データを使って書かれている本を読み、著者の主張が正しいのかを評価して、説得力のある再主張=論評をしてもらうわけですね。

 

書評レポートが出てくる授業の例

以上の理由で、書評形式のレポート(テキスト批評)は、卒論等の前段階で出されることが多くって。

大講義室での授業というよりは、演習形式の少人数の授業で課されることが多いかと思います。

 

なので「輪読」する場合もあったり。この具体的な流れは、

  1. テキスト(書評用の本・論文)を選ぶ
  2. 輪読の場合は、誰がどの章を読むかを決める
  3. 選んだテキストを読み進める
  4. 書評レポートを書いていく
  5. 演習で発表して、ディスカッションする

といった感じで。卒論の内容を意識して、本を選ぶ場合も多いです。

 

要は、学生さんの卒論のテーマ設定に向けての準備作業が、書評レポートになるわけですね。

 

とはいえ、演習以外で書評が課されて「テキストも自由に選んできてね」という場合もあったりして。

そのときは、現在の問題を論じて流行した本を取り扱うのが無難です。2020年10月時点でいえば、

  • 『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』
  • 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
  • 『上級国民/下級国民』
  • 『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』

あたりでしょうか。

 

ななさん
なお、この4冊のうち1冊だけなら「アマゾンオーディブル(本の音声サービス)」で無料視聴できます
りくくん
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書評レポートの書き方にはテンプレートがある

ところで、一般的なレポート課題にも「序論・本論・結論」という型があるように。

 

書評レポート(テキスト批評)にも「客観的・論理的に本を評価する」ために、以下の型があります

 

  1. 序論 紹介する目的
  2. 本の紹介 選んだ本の要約
  3. 論評 問題提起と議論

 

という流れで、全体の分量(文章量)は2000~3000字程度になると思います。

 

ななさん
以下、自分も使用しているテンプレートから、書評の書き方を押さえましょう

 

書評レポートの例:5項目のテンプレート

河野哲也氏の『レポート・論文の書き方入門 第4版』にならって、テンプレートの項目は5つにわけることができます。

 

目的の提示

  • 取りあげるテキストの紹介
  • レポートの大まかな構成
  • 分量の目安は10%

 

内容の要約

  • 目次にしたがって要約
  • 専門的な用語が出たら、簡単に説明
  • 問題提起をしたい章の要約文を多くする
  • 分量の目安は40%

 

ななさん
内容の要約をできるかぎり簡単に済ませたい方は、以下の記事をご参照ください。
大学のブックレポートの書き方
大学のブックレポート|要約の書き方は〇〇にならえばOK!【簡単】

続きを見る

 

問題の提起

  • 要約から、著者の主張をピックアップ
  • その主張に対して、自分の考えを述べる(問題提起をする)
  • 分量の目安は10%

 

議論

  • 自分がなぜ問題提起したかを説明していく
  • この際、著者の主張への反論、という議論から逸れないようにする
  • 自分の主張を支えるデータ=著者の主張に反論するデータを使っていく
  • 分量の目安は30%

 

まとめ

  • 書評レポート全体を振りかえる
  • 結論を出す
  • 分量の目安は10%

 

という内容です。

なお、一般的なレポートの書き方は以下の記事になりますが、内容要約の有無が書評レポートの型とは違っていますね。

アニメのレポートの書き方
【例文あり】大学生のレポートの書き方【サブカル・アニメで解説】

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書評レポートで押さえるべき5つのポイント

テンプレートを紹介したところでもう一度。

 

書評レポートの書き方のポイントを、一般的なレポートと比べながら整理すると、

  • 読み手に優しい文章にする
  • 議論には一貫性をもたせる
  • 自分自身の意見を主張する
  • データを使って主張をおぎなう
  • 最後のチェックもしっかりと

この5点が共通点になります。簡単に確認してみましょう。

 

1.読み手に優しい文章にする

読み手に優しい文章は、レポートから卒論まで共通して考えるべき点です。

 

具体的には、適度な改行、一段落に一つの主張(パラグラフライティング)、専門用語には簡単な説明をつけるなど。

 

ななさん
また、書評の場合は本の紹介なので、読んだことがない人もわかるような書き方が求められますね

 

2.自分自身の意見を主張する

例えば、他の書評サイトなどから転用しないで、自分自身の言葉で書評レポートの主張をすることが大事です。

 

自分の言葉で伝えるためには、本を読んで感じたこと、考えたこと、納得できた・できなかったことなどをメモ書きしておいて。それをアウトプットするのが有効です。

 

3.議論には一貫性をもたせる

自分はこう考える、という主張から議論が展開するので、その軸がぶれないようにするのも大事です。

 

平たくいえば、テキスト著者への反論が、書評レポートの軸ですが、反論にためらって、モヤッとした議論になりがちです。

 

ただ、書評レポートは論理的な文章を書く練習の場なので。。

 

りくくん
テキスト著者の胸を借りて、曖昧にならないように、思いっきり議論していきましょう~

 

4.データを使って主張をおぎなう

とはいえ、その議論は論理的・客観的な話でなければいけません。

 

つまり、好き嫌いで判断するのではなく、データにもとづいて判断、主張することが大事です。

 

ちなみに書評レポートを書く際には、テキスト以外の文献や統計資料などを使っても大丈夫です。むしろオススメです。

というのも、書評レポートの書き方とは、他のデータの使い方の練習でもあるからですね。

 

ななさん
担当教員の講義内容や意見も、レポートでの主張をおぎなう助けになるかもしれません。講義ノートを見返してみましょう

 

5.最後のチェックもしっかりと

以上の4点にもとづいて、書評レポートが書けたかどうか、もう一度確認しておきましょう。

あとは、誤字・脱字はないか、「てにをは」を間違っていないか、名前や学籍番号入れているか等々の細かな点ですね。

 

ななさん
最後の見直しまできちんとして、自身をもって提出・発表にのぞみましょう

 

▼本記事のベースとなっている入門書&書評に関連した記事▼

 

書評レポートの書き方の関連記事

※ いずれも別タブで開きます

 

まとめ:読書感想文をこえた書評を書こう

ここまで、大学での書評レポート(テキスト批評)の書き方について、テンプレート込みで紹介してきました。

 

おさらいしておくと、

感想文=自分の気持ちを書く 書評=論理的・客観的に本を評価する(論評)

書評レポートの型は 1、序論、2、本の紹介、3、論評で、テンプレートではさらに5項目にわけられる

書評レポートで議論を進めるため、一般的なレポートと共通する5つのポイントを押さえておく

でした。

 

以上のポイントを押さえて、テンプレートにしたがって書けば、まず単位を落とすことはないですし、良い書評になるはず。

 

ななさん
書評の書き方を身につけると卒論制作も楽になりますし、その後、お仕事や日常生活での読書にもいきてきます。ぜひご参考ください
りくくん
あと、レポートや参考文献の書き方、単位の取り方は下の記事で紹介しているよ~

 

▼大学の単位を落とさないためのロードマップ▼

 

▼前半パート「充実した大学生活を送るためのロードマップ・準備編」もどうぞっ▼

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