本記事では、以上の悩みにお答えします。
本記事の内容
1.書評レポート(テキスト批評)の特徴=「論評」
2.書評の書き方=テンプレートの構成通りでOK
3.書評レポートで押さえるべき5つのポイント
この記事の信頼性
執筆者は文系院生で、レポート・報告書の添削歴も豊富
学会誌や紀要、一般書に10本以上の論文・コラム等を寄稿
大学生になると、「書評(テキスト批評)」という様式でレポートを書くことがありますが、本を読まない人にはなかなかの難題。
というのも、書評の書き方は「読書感想文」とは違い、ただの感想文・要約になってはダメだからです。
書評レポート(テキスト批評)には「論評」という特徴がある
読んだ本の内容や思ったことを書くのは、書評(テキスト批評)も読書感想文も同じです。
では、大学の書評レポートとは、読書感想文と何が違うのでしょうか。
感想文=自分の感想、書評=客観的に評価という違い
結論、
感想文の書き方 自分が本に抱いた感想がメイン
書評の書き方 論理的・客観的な本の評価がメイン(論評)
と、文章のメインとなる部分に違いがあって、この書評の書き方を「論評する」ともいいますが。
なぜ、レポートで論評という行為が求められるのでしょうか。
理由は、大学の卒業後も必要になる「論理的な思考」を鍛えることにあります。
論理的な思考とは、正確なデータにもとづき、説得力のある主張を組み立てる能力ですが。
学生さんには、まずは書評レポートで、データを使って書かれている本を読み、著者の主張が正しいのかを評価して、説得力のある再主張=論評をしてもらうわけですね。
書評レポートが出てくる授業の例
以上の理由で、書評形式のレポート(テキスト批評)は、卒論等の前段階で出されることが多くって。
大講義室での授業というよりは、演習形式の少人数の授業で課されることが多いかと思います。
なので「輪読」する場合もあったり。この具体的な流れは、
- テキスト(書評用の本・論文)を選ぶ
- 輪読の場合は、誰がどの章を読むかを決める
- 選んだテキストを読み進める
- 書評レポートを書いていく
- 演習で発表して、ディスカッションする
といった感じで。卒論の内容を意識して、本を選ぶ場合も多いです。
要は、学生さんの卒論のテーマ設定に向けての準備作業が、書評レポートになるわけですね。
とはいえ、演習以外で書評が課されて「テキストも自由に選んできてね」という場合もあったりして。
そのときは、現在の問題を論じて流行した本を取り扱うのが無難です。2020年10月時点でいえば、
- 『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』
- 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
- 『上級国民/下級国民』
- 『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』
あたりでしょうか。
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書評レポートの書き方にはテンプレートがある
ところで、一般的なレポート課題にも「序論・本論・結論」という型があるように。
書評レポート(テキスト批評)にも「客観的・論理的に本を評価する」ために、以下の型があります。
- 序論 紹介する目的
- 本の紹介 選んだ本の要約
- 論評 問題提起と議論
という流れで、全体の分量(文章量)は2000~3000字程度になると思います。
書評レポートの例:5項目のテンプレート
河野哲也氏の『レポート・論文の書き方入門 第4版』にならって、テンプレートの項目は5つにわけることができます。
目的の提示
- 取りあげるテキストの紹介
- レポートの大まかな構成
- 分量の目安は10%
内容の要約
- 目次にしたがって要約
- 専門的な用語が出たら、簡単に説明
- 問題提起をしたい章の要約文を多くする
- 分量の目安は40%
-
大学のブックレポート|要約の書き方は〇〇にならえばOK!【簡単】
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問題の提起
- 要約から、著者の主張をピックアップ
- その主張に対して、自分の考えを述べる(問題提起をする)
- 分量の目安は10%
議論
- 自分がなぜ問題提起したかを説明していく
- この際、著者の主張への反論、という議論から逸れないようにする
- 自分の主張を支えるデータ=著者の主張に反論するデータを使っていく
- 分量の目安は30%
まとめ
- 書評レポート全体を振りかえる
- 結論を出す
- 分量の目安は10%
という内容です。
なお、一般的なレポートの書き方は以下の記事になりますが、内容要約の有無が書評レポートの型とは違っていますね。
-
【例文あり】大学生のレポートの書き方【サブカル・アニメで解説】
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書評レポートで押さえるべき5つのポイント
テンプレートを紹介したところでもう一度。
書評レポートの書き方のポイントを、一般的なレポートと比べながら整理すると、
- 読み手に優しい文章にする
- 議論には一貫性をもたせる
- 自分自身の意見を主張する
- データを使って主張をおぎなう
- 最後のチェックもしっかりと
この5点が共通点になります。簡単に確認してみましょう。
1.読み手に優しい文章にする
読み手に優しい文章は、レポートから卒論まで共通して考えるべき点です。
具体的には、適度な改行、一段落に一つの主張(パラグラフライティング)、専門用語には簡単な説明をつけるなど。
2.自分自身の意見を主張する
例えば、他の書評サイトなどから転用しないで、自分自身の言葉で書評レポートの主張をすることが大事です。
自分の言葉で伝えるためには、本を読んで感じたこと、考えたこと、納得できた・できなかったことなどをメモ書きしておいて。それをアウトプットするのが有効です。
3.議論には一貫性をもたせる
自分はこう考える、という主張から議論が展開するので、その軸がぶれないようにするのも大事です。
平たくいえば、テキスト著者への反論が、書評レポートの軸ですが、反論にためらって、モヤッとした議論になりがちです。
ただ、書評レポートは論理的な文章を書く練習の場なので。。
4.データを使って主張をおぎなう
とはいえ、その議論は論理的・客観的な話でなければいけません。
つまり、好き嫌いで判断するのではなく、データにもとづいて判断、主張することが大事です。
ちなみに書評レポートを書く際には、テキスト以外の文献や統計資料などを使っても大丈夫です。むしろオススメです。
というのも、書評レポートの書き方とは、他のデータの使い方の練習でもあるからですね。
5.最後のチェックもしっかりと
以上の4点にもとづいて、書評レポートが書けたかどうか、もう一度確認しておきましょう。
あとは、誤字・脱字はないか、「てにをは」を間違っていないか、名前や学籍番号入れているか等々の細かな点ですね。
▼本記事のベースとなっている入門書&書評に関連した記事▼
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※ いずれも別タブで開きます
まとめ:読書感想文をこえた書評を書こう
ここまで、大学での書評レポート(テキスト批評)の書き方について、テンプレート込みで紹介してきました。
おさらいしておくと、
感想文=自分の気持ちを書く 書評=論理的・客観的に本を評価する(論評)
書評レポートの型は 1、序論、2、本の紹介、3、論評で、テンプレートではさらに5項目にわけられる
書評レポートで議論を進めるため、一般的なレポートと共通する5つのポイントを押さえておく
でした。
以上のポイントを押さえて、テンプレートにしたがって書けば、まず単位を落とすことはないですし、良い書評になるはず。
▼大学の単位を落とさないためのロードマップ▼
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